歌手の八代亜紀さんが亡くなった
歌手の八代亜紀さんが亡くなった。
特にファンという事ではなかったが彼女の歌は好きだった。その昔「長距離トラック運転手のアイドル」と言われる時代には全く興味がなかった。しかし彼女の歌う「♪花水仙」を聞いた時、何か僕の心に残った。その歌詞の一部が僕の気持ちと重なったからだ。その後、高倉健さん主演の映画「駅STATION」で雪の吹きすさぶ小さな町の居酒屋で倍賞千恵子さん演じる「おかみ」とコップ酒を手に語り合うシーンがあった。その背後に移るテレビから八代さんの歌う「♪舟歌」が流れてくる。何か胸にジーンとくるシーンがよみがえってきた。
報道によると、八代さんは膠原病の一種、抗体陽性皮膚筋炎を患い入院治療されていたが急速進行性間質性肺炎を併発、死に至ったと言う。この2つの病気は免疫疾患で合併症が起りやすいと言われている。美空ひばりさんも確か「間質性肺炎」が死因になったはずだ。
この膠原病の皮膚筋炎と間質性肺炎。八代さんが患われていた2つの病気、僕もこの2つの病気をかかえている。何か八代亜紀さんと友達になれた気がした。
僕の場合、最初に発症したのが56歳の現役時代。正式な病名は「特発性間質性肺炎」特発性とは原因不明という意味。肺の下部にある間質という部分に炎症が起こり繊維質になる事で肺としての機能が失われていき呼吸困難になり死に至る。急速に進行すれば半月程度で死に至ると言われていた。幸い僕はステロイドの大量投与の治療が功を奏し20%程度の肺機能を失っただけで炎症は収まった。しかし八代さんの場合、急速進行性という病名から考えると急速に進行したのだろう。
僕の場合、その7~8年後に「皮膚筋炎」を発症し難病の指定を受けた。八代亜紀さんとは発症の順番が逆の発症だった。皮膚筋炎とは全身の筋肉に炎症が起こり筋肉が失われていく難病だ。筋委縮症(ALS))とは異なる筋肉の難病だ。
筋肉が失われていく事で力が入らなくなる。僕の場合、入院して一週間で10㎏筋肉が落ち立てなくなった。もう車椅子生活になると覚悟もした。しかし、これもステロイドの大量投与で進行が止まり命拾いをした。その後リハビリに励み無事退院することが出来た。現在、再発の兆候はないが、いつ再発するかは分からない。
もし再発すれば僕の人生は終わるだろう。