大阪府庁うたごえ合唱団結成60周年コンサート
大阪府庁うたごえ合唱団結成60周年コンサート(2/21ドーンセンターパフォーマンススペース、午後7時開演)を聴いた。当日は土砂降りの雨。にも拘わらず客席は超満席、熱気に包まれていた。同団の結成は1962年。大阪の職場合唱団の老舗的存在だ。僕がうたごえ運動に出会ったのは1967年頃だった。当時大阪には多くの職場合唱団(サークル)があった。朝日新聞ジャーコーラスを筆頭に毎日新聞、読売新聞、鉄道関係では、松島さんや石原さんの所属した阪急電車の合唱団鉄路、国鉄号笛はまだ結成されていなかったと思うが新幹線鳥飼基地を中心にした新幹線うたう会や宮原操車場では宮原うたう会があった。民間大企業にも多くあった。汽車会社(現川崎重工)の汽車コーラス、銀行や証券会社にもあった。港湾労働者の港湾合唱団、電通(NTT)合唱団、公務員関係では、市役所グリーンコーラス、国家公務員の国公合唱団、大阪市教組合唱団、等々・・・
しかし、1971年京都や東京に続いて大阪にも革新府政が誕生し民主勢力が大きく前進した。危機感を抱いた権力者たちは反撃に打って出た。労働組合を分裂させ一斉に攻撃を仕掛けてきた。それらの攻撃を受けて多くの合唱団が消えていった。その総仕上げが国鉄の分割民営化と派遣法の制定だったと僕は思っている。
そんな中でも府庁合唱団は途切れることなく活動を続けてきた。その事だけでもうたごえ運動の大きな宝だと僕は思う。さらに言うと、今、多くの合唱団は休日にコンサートを開催するが、同団はあえて、府庁の職員が仕事を終えて駆け付けられるように平日の夜の開催を実現させた。それも職場に根をはる同団の実践のひとつとして僕は感銘を受けた。
コンサートは同団の初期の創作曲「♪はだしの青春」で始まった。僕も関西合唱団の研究生時代よく歌った。懐かしい!研究生時代を思い出した。
その後、歌われた「サンライズサンセット」森川和夫編曲とあった。ふっと今は亡き森川さんの顔が浮かんだ。いい演奏だった。演奏者にも懐かしい顔がいた。合唱団の歴史が演奏にも表れていてうれしかった。後半、衛都連合唱団も応援に駆け付け合同の演奏になった。ますます演奏に厚みが増し聴く耳に力が入った。演奏者の中に副知事経験者がいた事にも驚かされた。それだけ職場に根を張った合唱団の証だろう。帰路、土砂降りだった雨も上がり清々しい夜風が吹いていた。